カゴに入れ出荷される紅ズワイガニは、
甲羅(こうら)を下にして出荷します。
実は鮮度を保つためにやります。
カニが紅色に照り輝きます。
江差の津花の国道やかもめ島入り口の直販所などで、「かに」と書かれたのぼりが目につきます。
これは江差で水揚げされた紅ズワイガニを販売しているのぼりです。
紅ズワイガニは日本海の深海(約500メートルから2,500メートル)に生息し、秋から初夏にかけて漁が行われます。
漁法もズワイガニの底引き網漁と違い、カゴを沈めて入るのを待つカニカゴ漁で行われます。
身は甘みがあり水分が多く、保存中に水分が抜けて身が少なくなることを避(さ)けるため甲羅を下にして保存します。
産卵(さんらん)周期は2年に1回で、ズワイガニよりも産卵周期が長く、産卵数も少なくなっています。
しかし、価格は安めで、そのままボイルや冷凍されて出荷されるほか、加工用の原料として活用されています。
カニ肉を使用する食品の多くにこの紅ズワイガニが用いられ、私たちの最も身近にあるカニの一種かもしれません。
5月中旬、江差で唯一、紅ズワイガニ漁を行っている第58宝樹丸(ほうじゅまる)(船主松田正躬(まさみ)さん・乗組員12人)から、漁船員と漁協職員が獲(と)れた紅ズワイガニをトラックへ荷揚げし、この日だけで約9トンものカニが出荷されました。
出荷先は稚内の加工場で、獲れたカニは加工用としておもに使用されます。
出荷後、船ではすぐに出港の準備に取りかかり、カニを捕獲(ほかく)するカゴを船に積む作業を開始し慌(あわ)ただしく準備していました。
この紅ズワイガニ漁は7月頃まで続きます。
紅ズワイガニは、町外に加工用として出荷される以外にも、町内の漁師さんや直販店(ちょくはんてん)などで販売されています。水揚げされてから店頭に並ぶまでを追いました。
今回、津花町で漁師をされている林孝(はやしたかし)さんにご協力いただき、紅ズワイガニを浜ゆでするようすを取材させていただきました。
取材当日は6箱(1箱27キログラム)の紅ズワイガニをゆであげるため、家族の皆さんで手分けして作業を開始。
まずは、紅ズワイガニの汚れをきれいに落とす作業。
大きなたらいの中でたわしを使いながら汚れを落とします。それから輪ゴムで足をまとめたあと、煮立った鍋へ投入。
1回に40パイも紅ズワイガニがゆでられます。ゆで時間は約40分で、その間また洗う作業と輪ゴムでまとめる作業を続けます。
ゆであがった紅ズワイガニは水の中でひと洗いされ浜ゆで終了。そしてすぐに大きさごとに分けられ、水抜きを行うために冷蔵庫へ入れられます。
その後、冷蔵庫からとりだされた紅ズワイガニは直販店などの店頭に並べられるほか、直接販売されます。
江差で紅ズワイガニが水揚げされていることをあまりご存知ない人が多いのではないでしょうか。
また、ご協力いただいた林さんも「江差で紅ズワイガニがとれてこうして食べられることをもっと知ってほしい。
もっと宣伝してや」と話されていました。
江差で獲れる紅ズワイガニ。江差の産業のひとつとして注目されています。
詳しくはホームページをご覧ください。
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