半島の南側は根室海峡(ロシア語地名、クナシルスキー海峡 Кунаширский пролив)に面し、その対岸には、ロシア連邦が実効支配し日本が返還を要求している島の一つ国後島(ロシア語地名、クナシル島 Остров Кунашир)が伸びています。
名前の由来は、アイヌ語の「シルエトク」 (sir etok) (大地の果て、大地の突き出た所)からきているようです。
知床半島に生息する動植物は、山間部には針葉樹のエゾマツ、トドマツや広葉樹のダケカンバ、ミズナラの原生林がしげり、山頂部や稜線には高山植物群落がみられます。
キタキツネ、エゾシカ、ヒグマといった野生動物が多く生息し、エゾシマフクロウ、オジロワシ(ともに国の天然記念物)などの野鳥類も豊富に生息しています。
また、沿岸にはアザラシ、トドなども生息しています。
知床半島は、北海道でも数少なくなった野生動物や原始的な自然景観がのこる秘境として、半島中部から先の山岳部と海岸部が1964年に知床国立公園に指定されました。
その後、知床岬周辺は規制の厳しい特別保護地区に指定されるとともに観光目的での立ち入りが規制されています。
2005年7月14日に南アフリカ共和国ダーバンで開催されていた第29回ユネスコ世界遺産会議において知床として世界遺産(自然遺産)への登録が決定され、2005年7月17日に正式登録されました。
地理的には、先端に知床岬が位置します。
半島中央部は知床火山層からなり、北から順に知床岳 (1254m) 、知床硫黄山 (1562m) 、羅臼岳 (1660m) 、遠音別岳 (1331m) 、海別岳 (1419m) とつらなります。
半島東側の羅臼町側には羅臼湖、半島西側の斜里町側には知床五湖、カムイワッカの滝、オシンコシンの滝があります。
火山地帯となっていることから、羅臼温泉、瀬石温泉(セセキ温泉)、岩尾別温泉など、自噴する温泉も多くあり、観光客も多く訪れています。
特に、滝自体が天然の温泉になっているカムイワッカ湯の滝は、野趣溢れる秘湯として、マスコミなどでも取り上げられるほどに有名であります。
また、半島の中央部の斜里町ウトロ地区には、知床観光の一大拠点となっているウトロ温泉があります。