ジンギスカンの調理法には、たれに漬け込んで、味の付いた羊肉を使う場合と、生の羊肉若しくはロールの羊肉の薄切りを使う場合とに大別されます。
味付けジンギスカンについて
ジンギスカン鍋を火にかけ、熱くなったころに羊の脂塊を塗りつけます。
モヤシをメインに、あらかじめ切っておいた玉ねぎ、ニンジン、ピーマンなどの野菜で鍋全面を覆います。
ある程度野菜に火が通ってきたら、鍋の汁溜まりに野菜を下ろし、味付けの肉を鍋の上部の丸い部分に載せ焼き始めます。
このとき、肉の漬けタレを鍋の下部の汁溜まりに適量流し込み、野菜の煮込みに入ります。
肉を焼き始めると、焼けて香ばしくなった肉汁が汁溜まりに流れ込むます。
肉は火が通ったらそのまま食べるます。
野菜も煮えたことを確認したら食べます。
肉と野菜を継ぎ足し、焼けたら食べることを繰り返します。
終盤に入るとすき焼きの締めに近い形で仕上げになります。
汁溜まりで適度に煮詰まった肉汁とタレの中に、うどん玉(丸麺が良い)や中華麺(やきそばの麺を流用する)、または角餅を短冊に切ったものなどを投入し、煮込んで賞味します。
最後に生卵を投入し、卵とじ風に食べる方法もあります。
生肉ジンギスカンについて
ジンギスカン鍋を火にかけ、羊肉の脂身を塗りつけ、煙が立つくらいまで鍋を焼きます。
脂身でぬぐった鍋面に、薄切りの羊肉片を乗せて拡げます。
直ぐ焼けるから余り多く焼かないです。
肉に火が通ったら焦げないうちに、市販の好みのたれ若しくは自家製のたれを付けながら食べます。
肉を焼く場所以外のところに、あらかじめ薄く切っておいた玉ねぎ、モヤシ、カボチャ、ピーマン、キャベツなど好みの野菜を並べ、焼けたら肉片と同じく、たれを付けて食べます。
肉汁が鍋の縁にたまったら、そこにも野菜を置くと、肉汁のしみ込んだ野菜が食べられます。
古くはジンギスカン焼き、ジンギスカン鍋といわれた史実が示すように、焦げ目の付いた羊肉を賞味するのが当初の食べ方でありました。
1930年代に日本初とみられるジンギスカン鍋ができたとき、その使用法において「焼き肉を度々裏返して、焼くと切角美味しい汁が、火の中に落ちて、味が低下します」と、あっさりした焼き方が推奨されていました。
成吉思荘では、女中が肩ロース片を1切れずつ焼いて客に勧めたといいます。
野菜で覆っておいて肉片を鍋に直接当てず、蒸し焼きのようにする焼き方は、味付け肉によるジンギスカンが普及してから考え出されたもののようであります。
通常、鍋を囲む各自がめいめいに自分の食べる分の肉を焼くが、宴会のホスト役が焼き役を任せるスタイルもあります。
尚、ジンギスカンの例に限らないが、付け沿えの野菜等は所詮添え物であることから「これが本場」的な食べ方などといったものは存在せず、季節やご当地により様々存在することは言うまでもないです(地域柄によっては、岩手県北部の沿岸地域などに見られる例のように、一般に紹介例として多いモヤシなどは一切用せず、キャベツやタマネギの他に好みによってブロック切りにした木綿豆腐や焼き豆腐を付け沿えるところもあります)。
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