北海道方言 北海道弁の特徴
特徴
語彙・単語
上記のように、他地域からの影響を受けているので、他地域と共通する語彙も多いです。
名詞
おつゆ(味噌汁)
おんじ(弟)おんちゃんともいう。
がっちゃき(痔)
かんかん(缶缶)(空き缶)缶詰などの小さいもの
がんがん(缶缶)(一斗缶などの空き缶)大きいものが「がんがん」と呼ばれています。
かんぷうかい(観楓会)(秋に行われる宴会、飲み会)道外では全く通じず、聞いた人は「寒風会」だと思われます。
がんべ(瘡蓋/痂(かさぶた))
きしゃ(汽車)(列車) 実際には電車やディーゼルカーのことだが、「でんしゃ」という言葉はほとんど使われないです。
札幌や函館で「電車」という場合は市電(路面電車)を指します。
もともと日本では蒸気機関車(SL)を汽車と呼び、北海道ではSLが全廃されるまで使われていたこともあって残ったものと思われます。
げっぱ または げれっぱ(最下位、またはその人)
ごしょいも(五升芋)(ジャガイモ)
こっこ(子供) 魚のおなかにある卵を指すことも多いです。
ザンギ(鶏の唐揚げ)
さがり(牛・豚の内臓肉、はらみ)
じゃら銭(せん) または だら銭(小銭)
じょんば(ショベル、雪掻きに使う道具)
ちせ(家、転じて居場所、神の住処)英語の"house"より広い概念を持ち、むしろ"home"に相当するとされます。
つっぺ(突っ支い棒)「つっぺ-かる」戸などが開かないように障害物を置く、固定するために支えます。
また、鼻血が出た時に鼻にティッシュ等を詰める事を「つっぺ-する」と言います。
とうきび(とうもろこし)非常に一般的な呼び名。語源は「唐の黍」や「サトウキビから」などと諸説があります。
函館地方では「とうきみ」とも言います。
ないち(内地) (道外のこと。本州以南を指す)
なすび (「なす」のことであるが、関西方面の言葉が北海道に根付いた典型的な例)
なんぼ (幾ら。数値や金額)
ぼっこ(比較的短い棒、棒切れ)語尾の「こ」は、大人が中型犬や小型犬を「ワンこ」と呼んだり、浜言葉で子供を「童っこ=わらしっこ、わらすこ」と呼ぶ場合などと同じで、小さなものを指す指小接尾語といわれます。
ほっちゃれ(産卵、遡上を終えた鮭の事だが)形容詞的に「気の抜けた様子」に用います。
真ん中らへん(真ん中のあたり)
動詞
いこる(炭が完全燃焼している)「木炭がいこったな」*近畿・四国で使われていたと思われています
うめる(うすめる、ぬるくする)「風呂の湯があっつかったらうめてよ」、「しょっぱかったら水でうめれば」*関東・中部・近畿・四国等で使われていたものと思われます
うるかす (ふやかす)煮る前の豆を水につけたり、食後のごはん茶碗などを水につけてご飯粒などを取れやすくすること。
「茶碗うるかしといて」
おがる(草・歯などが、生える/生長する)
おだつ (調子に乗った行動をする)子供が調子に乗ってふざけて頭をぶつけた時などに「おだつんでない!おだってるからそうやって頭ぶつけるんでしょ」
かっちゃく (引っかく、引っかき傷をつくる)
かまかす (かき混ぜる)
かる((鍵を)かける、つめる。しめる)「おまえ、じょっぴん(鍵)かったよな?」「鼻血出たのでつっぺかる」など
ごんぼほる(牛蒡掘る)(意地を張る)相手の言うことに耳を貸さず、意地を張って反対する迷惑な言動に対して使います。(子供が)親の言うことを聞かず、意地を張ってすねること。
しばれる(凍るほど寒い、身体の芯まで冷え切る)若年層では使われなくなっているものの、天気予報などではよく使われ、極寒の気温にはこの表現がふさわしいという認識は広いです。
じょっぴんかる(鍵をかける、戸締りをする)「じょっぴん」は「錠(じょう)」、「かる」は「かける」(現代では、じょっぴんかるはあまり使われないが、(鍵を)かるという言葉のみが残っている)
だはんこく(わがままを言って騒ぐ、(子供が)わがままを言って泣き喚く)
ちょす(いじくる)(いじる)
なげる(捨てる)「投げる」の共通語的意味は「任意の方向に無造作に放る」だが、北海道方言では「ゴミ箱やゴミ置き場などに正規に捨てる」の意。
「雪なげ」であれば、除雪あるいは排雪を意味している場合があります。
ばくる(交換する)交換し合うは「ばくりっこする」。ばくろう【博労・伯楽・馬喰】[(1)馬の善悪を鑑定する人、馬の病を治す人、馬を売買・周旋する人(2)物と物とを交換すること…広辞苑]に由来する。
はたく(人を)叩く、殴る。「おだってるとはたかれるよ」
ほろう(〈雪や埃などを〉はらう)「背中の雪、ほろってやる」
ぼっかける(追いかける)ぼうという場合もあります。
まかす (こぼす)勢いよくたくさんこぼす感じです。
もそこす/もちょこす (くすぐる)
やむ(痛い/痛む)「虫歯がやむ」「傷がやんでしょうがない」(「病む」の正式な意味の一つであるが、北海道ではごく日常的に使われます)
よしかかる(よっかかる) (寄りかかる)
〜こく(〜する、している状態)上記「だはんこく」、「はっちゃきこく」、「屁こく」
形容詞・形容動詞
あずましい(落ち着く、居心地が良い、せいせいする、素晴らしい)空間的・身体的安堵感を意味する。否定形の「あずましくない」もよく使われます。
以前千葉ロッテに在籍していた平下晃司の応援歌の「素晴らしい平下」というフレーズは、札幌ドームをはじめとする北海道内限定で「あずましい平下」と歌っていました。
あめる(腐る)「この筋子あめてるから、いたましいけどなげるわ」
いたましいいたわしいという場合もある(もったいない)
いずい(きつい、痛い、身体に違和感がある)服がきつい時や、目にゴミが入ってゴロゴロする時、身体に鈍痛を感じる時など、主に身体的な不快感を表す。「歯がいずい(虫歯や親知らずなどで歯に違和感があって気になる)」
おもしい(おもしろい)若年層に用いられる傾向。
おっかない(怖い)
きかない(言うことを聞かない、気が強い、やんちゃだ)
こまい(細かい、小さい)
こわい(体が疲れた、体が辛い、息が苦しい)「怖い」ではない。
しゃっこい(触覚・味覚的に冷たい)「冷やっこい=ひゃっこい」と記す文書もあるが、「し」の方が一般的。
大儀(だ)(おっくうだ、面倒だ、だるい、大層なことだ)古くから日本語にある言葉だが、共通語ではあまり使われなくなっている一方、北海道でよく使われる。中国地方でも似た表現(たいぎぃ)がある。「熱が出て、起きてるのも大儀だ」「日曜日まで仕事だなんて大儀だね」
はんかくさい(愚かだ/愚かな)うかつなミスをしたり、非常識な行動をとると、こう言われます。
ぺったらこい(平べったい)
みったくない(みっともない/不細工だ/不細工な、醜い)
めんこい(かわいい)子供や犬猫をあやす掛け声に「めんこめんこ」があり、「あやす」や「なでる」の意味で「めんこめんこする」とも言います。
もそこい/もちょこい (くすぐったい)
ゆるくない (大変だ、苦労だ)「最近残業ばっかりでゆるくない」
副詞他
したっけ(1.接続詞の「そうしたら」の意、2.別れる際の挨拶で「それじゃ」「じゃあね」と同意味で「したっけね」という言い方で、道央圏・若年層で多く用いられる)その他、 して(そして)、したら(そうしたら)など、語頭の「そ」が発音されない傾向にあります。
〜さる(〜が物理的に可能)「リモコンのボタン、押ささらないわ」「ここなら(地盤がやわらかいので)看板が立たさるわ」「このボールペン(インクが乾いて)書かさらないわ」。
〜でない(〜ではない、〜じゃない) 「では・じゃ」→「で」になる。都心部・若年層では少ない。
なまら、なんまら(とても、かなり)比較的新しくできた表現(新方言)で、年配の人はあまり使わない。女性が使うのを嫌う人もいる。主に道央、旭川、富良野などの内陸部で使われ、稚内周辺では同意語で「べろ」、函館周辺では「がっつ・がっつり・ばっこり」というものがある。なんまらは強調表現。元々のルーツは新潟弁であるが北海道とは逆で、年配の人が使い、若年層では殆ど使われないです。
なんも(なにも、なんにも)「なんも無いけど、あるもんで食べてね」「なんもさ(なんでもないよ、大丈夫だよ)」
〜ば(〜さ)(〜を) 目的をあらわす「を」が「ば」になる。九州地方の方言と似ている。近年ではあまり聞かれない。「箱ば開ける」「仕事さ行く」「あっちさ、行った」
はっちゃきになって(はっちゃきこいて)(がむしゃらになって、無我夢中で)「はっちゃきになって(はっちゃきこいて)走る」など。
ほれ(=「ほら」、呼びかけの語)「ほれ、見てみれ」(ほら、見てみろ)
まるまんま(丸ごと)「丸い」+「まま」
むりくり(無理やり)「無理っくり入れようとするから壊れるんだ」
もしか(もし)「もしか契約を断られたらどうしましょうか」
わや(わいや)(手がつけられないほど酷い、めちゃくちゃだ、否定的な「とても」の意)「部屋が散らかってわやだ」 「わやなことになった」など。「なまら+わや」でとても酷い状態を表現したい場合に使用されることがあります。
国語辞典にもある正式な単語だが、共通語であまり使われない一方、北海道でよく使われます。
関西地方や名古屋市周辺、山口県の一部などでも同様の意味で使われます。
※「べこ」(牛)、「じょっぴんかる」(鍵をかける)、「とっぺる」(壁などで仕切る)若年層や都市部ではほとんど用いない語や、その地域特有の表現、地域や世代により意味が微妙に異なる語、死語に近いものも含めるとかなりの数にのぼります。